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空気をつくる、場をつくる。

「この人の前だと、つい何でも話してしまう」という人がいます。
「ウマが合う」とはちょっと違うと思うのですが、聞いてくれそうな雰囲気があって、思っていることをついスラスラと話してしまう。話してもいい「空気」にするのが上手な人です。

人が集まるところでは、ちょっとしたことがきっかけで「空気」が和らいだり、反対に緊張したり。
住宅の取材では、初対面の施主と「住まい」というプライベート空間について話をするので、なるべく話がしやすい空気になるよう努めますが、なかなか難しいものです。

家族が暮らす住まいでは、毎日が平穏で楽しいことばかりではありません。
ときには兄弟ゲンカや親子ゲンカがあったり、だれかが不機嫌だったり、落ち込んでいたり、大なり小なり波立つ日もあるものです。
家族なので、時間がたてば元通りということも多いのですが、ときには言葉にできない気持ちを抱えたまま、時間だけが過ぎていくということもありますよね。
気持ちを言葉にすることができないときは、空間が気持ちを助けてくれる、そんな「空気」が住まいに流れていたらと思います。

ある女性の家では、収納スペースに工夫が凝らされていました。特にキッチン周りと子ども部屋です。
キッチン周りには、カウンターの低い位置に普段使うコップやお椀、お皿などを納める棚があり、扉はついていませんでした。

「食器棚は小さな子どもたちが食器を出し入れするには高すぎて、親が手を貸さないといけない。何か飲みたいときには自分でコップを出して飲む、ご飯のときにも自分の食器は自分で出す、それができれば片付けもできます。そうすると自然とお手伝いができるようになるんです」

子ども部屋でも、おもちゃの出し入れがしやすい収納の工夫がありました。
「手伝いや片付けは強制するよりも、そうしやすい“場”をつくってあげることが大事」
女性はそう話していました。

住宅の取材を始めて間もないころ、ある建築家が「我々の仕事は“場”をつくることだ」と話していたことが印象深く、今も残っています。
会話が生まれやすい、行動しやすい、人と人の距離を近づけやすい、素敵な空気が流れる場が、暮らしを大事にする感性も育むのかもしれません。


※毎月第2週目の「週刊タイムス住宅新聞」に掲載されています。(2012.12.01 ka)

 

暮らしを守る手。

「台風、どうだった?停電、大丈夫だった?」
台風一過、ここしばらく、だれに会っても合言葉のようです。

台風15号、16号、そして17号。今年は沖縄本島にも強い台風がひさびさにやって来ました。本島北部では、16号の爪痕が癒えないところに追い討ちがかかったように17号が襲来。今でも大変な思いをされている方も多いと思います。被害にあわれた皆さまへ、心よりお見舞い申し上げます。

「うちは8階建てマンションの6階。建物が揺れて怖かったよ」
「窓のサッシがたわんだよ。こんなになるのを初めて見た、割れないか怖かった」
「外から飛んできたモノに当たって窓ガラスが割れた。その後も風を防ぐのに大変だった」
「電気が止まって水も出なくなっちゃった」
なんといっても長時間に及ぶ停電にため息をついた人は多かったことでしょう。

今回は県内の電力供給戸数の約6割、全市町村で停電したそうで、電気のない不便さを感じながら、どっぷり電気に頼った生活を送っていることに改めて気づかされることになりました。
家庭はもちろん、コンビニやスーパー、飲食店はじめ街のあちこちで電気の復旧にあたる作業員の皆さんの到着を心から待ちわびていました。

作業の車が到着すると、近所の人たちと一緒に手をたたいて喜んだところもあるそうで、作業の様子を見守り、電気が点くと歓声が沸きあがったところもありました。
作業を終えた皆さんに「本当にありがとうね!」と肩をたたく、すっかり常温になった飲み物を渡しながら握手をする、作業員さんたちがまるで映画のヒーローのようだった風景も見られたようです。

聞くところによれば、電力復旧作業にあたった皆さんは、風が弱まったときに一度出動して電線の修復にあたり、暴風域を抜けると、各地をめぐってフル稼働。会社に泊まりこみながら作業にあたっていた人たちも多いといいます。
電力だけでなく、各ライフライン、道路や橋の修復作業、被害を受けた家屋の清掃や修理にかかわる多くの人たち。惜しみなく私たちの暮らしを守ってくれる多くの手に、ありがたい気持ちになる台風の後です。



※毎月第2週目の「週刊タイムス住宅新聞」に掲載されています。(2012.10.18 ka)

 

理想の物干し場。

「新築したのはいいけれど…」と話し出す女性たちの会話をしばらく聞いていると、不便を感じている家事が話題になりました。

まず話題に上ったのはキッチン、そして洗濯。
シンクを大きくしたために作業スペースが小さくなった、アイランドキッチンを反対され、壁に向いたI型にしたら自分だけ作業しているようでさみしいなど、もう少し時間をかけて考えればよかったと反省する意見がさまざまでした。

洗濯についての不便さは、洗濯機と干し場が離れている、干し場が狭い、干し場に屋根が無いので天候が不安定なときは同じ物を何度も洗うことがある、部屋干しすることが多いが、それに適したつくりになっていない。洗濯は、意外と干し場に不便さを感じていることが多いのがわかります。

特に一戸建ての場合、洗濯機が1階で干し場は2階ベランダとなると、洗濯物を持って階段を往復しなければいけません。乾いた物を取り込んで1階の和室でたたみ、たたんだものは各々の個室へ運ぶとすれば、さらに往復する回数が増えます。この場合、高齢になったときのことを考えると、床の段差をなくしたとしても、洗濯するたびに大きなバリアを感じてしまいそうです。

以前訪れた住宅で、洗濯物はほとんどハンガー掛けで干し、乾くとハンガーごと取り込んで、干し場と隣接するクローゼットにポンとかけるだけという家庭がありました。「洗濯物をたたむのが苦手で(笑)」という奥さまの理想の干し場が実現したものですが、「共働きで忙しい毎日を助けてくれる家」と笑顔で自慢してくれた住宅でした。
ほかにも、「洗濯物はダァーっとたくさん干したいから、干し場は広く!」と望んだ家庭では、リビングよりも広い干し場が実現していたり、洗濯物を干すときに膝に負担をかけないよう、カゴを置く場所を工夫したところがあったり。干し場一つでもいろいろな形がありました。

家づくりは諸条件によって、すべて実現できるかどうかは異なりますが、普段どんなふうに家事をしているのか、暮らしのソフト面を考えると理想の形が見えてくるかもしれません。



※毎月第2週目の「週刊タイムス住宅新聞」に掲載されています。(2012.08.26 ka)

 

住まいと音。

「木の建物ではやわらかい音がします。一見、固い音がしそうな石の建物では、なんと丸い音がします」。

先日会ったある音楽関係者が、それぞれの素材で作られた空間で楽器を演奏した場合の音の響き方の違いを紹介したものですが、音の響き方のほかに暮らしの中で耳にする音についての話題にも話はおよび、その内容がとても興味深いものでした。

ケータイやパソコン、テレビ、電子レンジや冷蔵庫、エアコンなど、便利に使う家電製品は、今や暮らしには欠かせない物になっています。
私たちの生活環境は、それらが人工的に作り出す電子音に囲まれたものになっていて、ほとんどの音楽は機械を通した音しか聴けない状況になっています。音は人間の精神に大きな影響を及ぼすため、電子音で囲まれた空間にいる私たちの聴覚は、無意識のうちに能力が低下し、感性や創造性、コミュニケーション能力や危険回避能力の低下にまで影響が及んでいるのだという話でした。

「楽器の音、人間の声、自然の音を生で聴くことがよい。しかし、コンクリートばかりに囲まれた空間では、人の声も天井や壁に反響し鋭い音になって耳に届くので、そんな空間が増えている現在は、音の面から見た建物の環境もあまりよくありません」と、現在の空間に対する危惧も話していました。

以前取材で訪れた住宅では、音楽教師の奥さまが「子供たちには暮らしの中の自然な音をそのまま聞かせたい」と話し、家の中に置く家電を極力減らす努力をしていると説明していました。
雨の音、風の音、水道から出る水の音、食器を洗っている音などをそのまま聞かせ、暮らしの中で音に気づき、音を聴く感性をはぐくみたいという考えが反映されている住宅でした。

住まいと音といえば、床や壁を通して伝わる上下階や両隣の音、外からの騒音などがあり、それらを遮音、防音することが居心地のよい空間づくりのように思われますが、人の心にやさしい音の響き方や、五感を取り戻してくれる自然とのかかわりも取り入れながら、暮らしの空間づくりを行う大切さを改めて考えさせられた機会でした。


※毎月第2週目の「週刊タイムス住宅新聞」に掲載されています。(2012.08.01 ka)

 

せつない住環境。

「遅い時間になっても砂場で遊んでいる子がいてね」。 公営団地に住む友人の話です。
砂場で遊ぶ子は4、5歳くらい。毎日のように暗くなっても家に帰らず遊び続けていることが気になり、声をかけるようになりました。
その子の家庭は父親と祖母との三人暮らし。父親と祖母は仕事でいつも帰りが遅く、幼稚園が終って家に戻ると二人の帰りをいつも一人で遊びながら待っているのだとか。

「暗くなったら危ないから、家の中に入りなさい」と声をかけても「家に一人でいるより外がいい」と言い、「じゃあうちで待っていなさいよ」と呼びかけても「よそに行くと怒られる」となかなか聞き入れてくれません。
団地周辺では遅い時間でも中学生数人が集まっているのを見かけたりもしますが、「ちょうどうちの子と同じ年頃だから、よけい気になってね」と友人。
子供が一人でいることの寂しさや怖い気持ち。持って行き場のない感情を抱えた小さな子の姿は、何とかしてあげたくても手出しができない大人を切ない気持ちにさせます。

那覇の海の近くで育った私にも似たような経験があります。幼稚園から帰ると親が留守で家の中に入れず、しばらく外で親の帰りを待っていると、隣に住むおばさんが「おかしでも食べて待っていなさい」と声をかけてくれました。別の日は別の家のおばさんが「うちのお姉ちゃんたちと一緒に遊んでたらいいよ」と家に呼んでくれ、夕飯をごちそうになることもしばしばでした。迎えに来た親は「すみません」と頭を下げるものの、迷惑をかけて申し訳ないというより感謝の気持ちのほうが大きかったようです。子供にも今のように「よそに行くと怒られる」という感覚は無く、不安なときはいつも近所の人たちが手を差し伸べてくれ、それに甘える感覚だったのかもしれません。

それから三十数年の時間が進み、人も増え安心や安全のためにお金を払う世の中になりました。安心して委ねられる人と人の関わりは消えそうなほどになってしまったのでしょうか。大人も子供も、差し伸べられる手に安心して甘えられるやさしい住環境であってほしいものです。


※毎月第2週目の「週刊タイムス住宅新聞」に掲載されています。(2012.07.01 ka)

 

“カジダン”で家づくりが変わる?

夫婦で家づくりに取り組んだ家庭、どちらかが積極的で一方は無関心だったという家庭、これまで訪問した住宅の中で家づくりに向かう姿勢はさまざまでした。
夫婦で家づくりに取り組んだ人たちを見ると、どちらかといえば男性は家の外観や玄関、車庫、書斎に興味を示す人が多く、キッチンなどは女性がというように分担された家庭が多かったです。

しかし、こういった傾向が見られたのはこれまでのケースで、30代で家を建てる人が増えた現在、家づくりに向かう姿勢も変化していくように思います。
“イクメン(育児に積極的な男性)”や“カジダン(家事に積極的な男性)”と呼ばれることに抵抗のない男性たちも増え、どちらか一方が主導権を握るのではなく、またキッチンは女性だけのものと決めるのでもなく、夫婦で相談しあって家づくりを進める形が主流になるのではないかと思います。

現在の20代から30代の男性の中には料理が得意な人や片づけや収納、掃除といった家事をはじめ、インテリアに強い関心を持つ人も増えました。子育てにも積極的に参加する男性も珍しくなくなってきました。
こういった男性が増えると、これまで女性の分野だと思われていたところにも男性の意見が取り入れられてくると思います。

例えば、男性も日常的にキッチンに立つのであれば、ワークトップの高さや吊り戸棚の位置は相談しあって決めたほうがいいかもしれません。
家事のしやすさを決める動線や水まわりの配置についても、夕食の準備をしながら洗濯を同時進行する場合や、夫が子供を入浴させている間に妻が夕食の準備をする場合などは浴室とキッチンが同じフロアにあると便利です。

どちらか片方だけの意見で家のプランが決まっていくのではなく、二人が使いやすいように相談しながら決めていくことが考えられます。

先月発表された大手ビールメーカーが行った意識調査の結果では、「沖縄の既婚男性はカジダン日本一」でした。
すでにキッチンやインテリアに高い関心を寄せる男性がどこよりも多いのかもしれません。
家づくりを通してコミュニケーションを深めるご夫婦の増加も予想されますね。


※毎月第2週目の「週刊タイムス住宅新聞」に掲載されています。(2012.05.15 ka)

 

火鉢の思い出。

4月になってすっかり春だというのに火鉢の話題で恐縮です。

先日、沖縄市工芸フェアの10周年記念事業として、「暮らしの中の沖縄のカタチ」と題した沖縄の工芸ばかりを使った暮らしの空間を会場の一角に設けるお手伝いをさせていただきました。
空間づくりのために12工房の皆さんに新作を作っていただくなど、大きな協力のもと実現しました。開催期間中は多くの来場者でにぎわい、お手伝いした空間も大変好評でした。

この空間では、洋と和の間を設置して、その間を薄く透けるような知花花織の布が風に揺れている構成としていましたが、和の間の部分では畳の上に置かれた陶器の火鉢に注目が集まっていました。

「沖縄で火鉢?」と思われるかもしれませんが、これまで取材した中には暖炉のある住宅もいくつかあり、木製の火鉢を置いている家もあったので、懐かしい形の陶器の火鉢もありだろうということで作っていただきました。
完成品は、火鉢としての利用だけでなく、ときには金魚鉢になったり大振りな生け方が似合う花器になったりと、いろいろな使い方が想像できる素敵な火鉢の仕上がり。

展示中、火鉢を見た方たちの中でも特に50代以上の方たちは「懐かしいねー」と子供のころの思い出を話していただくことも多く、予想外の反応に新鮮な感動でした。

「子供のころはよく火鉢を抱っこしていたものよ。兄弟が帰ってきたらみんなで足を火鉢にくっつけて温まってね、あの頃は楽しかったわ」。

火鉢は簡単に動かすことができ、炭を使えば煙や炎もあまり出ないことから囲炉裏のない部屋や街中の家では大切な暖房だったようです。
灰の上に 五徳を置いてヤカンを乗せればお湯がいつでもあったこと、網を乗せて餅や魚を焼いたり、灰の中に芋を入れておいて遊びから戻ったらその芋を兄弟と分けて食べたり。

オール電化住宅も当たり前になり、さまざまな家電に囲まれた生活の中で、「火」はだんだんと消えてしまったように思います。でも、「火」は生活の必要性以上に、何かをもたらしてくれる大きな魅力があることを改めて感じた火鉢なのでした。


※毎月第2週目の「週刊タイムス住宅新聞」に掲載されています。(2012.04.16 ka)

 

オープンハウスに行こう。

毎週どこかで開催されている「住宅完成見学会」。将来、設計事務所に家づくりを頼みたいと考えている人には、ぜひ、設計事務所が開催する見学会への参加をお勧めします。

設計事務所(建築士)の場合、自作の自宅を所有している人を除けばモデルハウスを持っていません。
見学会が開催されるようになる以前は、これまで設計した建物を案内したり、関わった人たちを招いての内覧会で特別に見学してもらうこともあったのですが、ここ数年は「住宅完成見学会(オープンハウス)」として多くの人の見学が可能になりました。
見学会は、これから住むご家族の了解を得てお披露目されているものですから、それを見学する人にも注意してほしい点があります。それぞれの建物で開催に際しての注意事項があるので確認して出かけるようにして下さい。また、せっかく見学できるのですからポイントを抑えて見学してほしいと思います。

見学会に行く目的は「見る・感じる・知る」の3つ。

「見る」は建物の外観から細部に至るまで隈なく見てみようということですが、設置されている素敵なキッチンや浴室、照明器具などに見とれるばかりではいけません。シンプルな建物が多い最近では、シンプルな空間に仕上げるための細かな工夫を行っているところも多く、気がつきたいところです。でもいちばん大事なところは、室内の空間デザインを見ることです。空間のつながり、広さ、高さ、雰囲気。建物の持つテイストを見て、気に入るかどうか考えてみましょう。

「感じる」は、五感を働かせて建物が持つ性格を感じてほしいということです。室内は化学的なニオイがしないか、実際に歩きまわって階段はきつくないか、床は堅すぎないか、室内の明るさや風通しはどうか。使いやすい高さか、奥行きはどうか、そこに立って動いて、手を動かして感じてみて下さい。

最後に「知る」は、実物からいろいろな知識を得ようということ。床材、壁の仕上げ材、外壁材などは建材の名前を聞いて覚えましょう。さまざまな素材があるのでその雰囲気を確かめながら名前を覚えておくといいです。名前と一緒に特色なども聞いておくと、その知識がいつか役立つはず。建築士と話すことも人柄を知る第一歩なので、ぜひ話しをしてみて下さい。

家づくりを考えている期間中は、建築の知識を得ようと目に見えるものへ関心がいき、肝心の「住み心地」を忘れがちになります。自分たちが望む暮らしや心地よさはどんなものかを明確にして見学会に出かけると、もっと深い視点で建物を見ることができますよ。


※毎月第2週目の「週刊タイムス住宅新聞」に掲載されています。(2012.03.10 ka)

 

その家の台所と食器棚。

住宅を訪れるとき、一番話が盛り上がり、ついついじっくり長居をしてしまうのが台所のように思います。
家族の中心である台所には話題が満載で、どれだけ居ても話がつきません。道具や食品をどんなふうに収納しているのかスペースや方法を見るのも楽しみで、ときには冷蔵庫の扉を開いて中を見せてくれる方もいらっしゃいます。

なかでも個性が表れるのは食器棚。大家族の家、小さな子供たちがいる家、人が集まる家、それぞれの家族構成や食生活、趣味などが反映されたさまざまな食器がその家の飾らない生の暮らしを伝えているように思います。

先日訪れたのは糸満市のKさん宅。約20年前に建売住宅を購入して、現在は子供たちも独立、ご夫婦のみのお住まいです。Kさんとは、友人主宰の集まりに参加した際に知り合ってしばらくたちますが、住宅を訪れるのは初めて。いつもみんなのためにいろいろなお料理を作ってきたりする、ふんわりした印象の女性です。
12畳ほどのLDK。出窓に向いたI型キッチンは、見える部分には火ヌ神が置かれただけで、天板にはほぼ何も置かないスッキリしたキッチン。それを見ただけでも普段のKさんからはちょっと意外な印象でしたが、食器棚のガラス扉から見える食器の様子を見て、思わずほぅーっとため息がもれました。
「このスペースに合うものを」ということで既製品の食器棚を購入したそうですが、その中味は使う頻度で分けられ、大中小さまざまな食器が整然と並べられていました。
キッチンとLDの間に設けられたカウンターも既製品を買って設置したものだそうですが、うまく合わさって使いやすい台所を構成しています。

すぐにお茶の用意をしてくれたり、さっと何かを作ってくれたり。必要なものはすべて取り出しやすく工夫されているので動作に無駄も迷いもない。「もうだいぶ古くてね、小さな台所でしょ」とKさんは笑いますが、ベテラン主婦の貫禄さえ感じる美しい台所で、見ていて勉強になりました。台所や食器棚を見ると、その人のことをもっと知った気分になるから不思議ですね。


※毎月第2週目の「週刊タイムス住宅新聞」に掲載されています。(2012.02.10 ka)

 

旧暦に暮らす。

新しい年が明けて10日余りたちましたが、新年あけましておめでとうございます。
どんな新年を迎えられましたか?

今年は1月1日が旧暦の12月8日にあたりムーチーと重なったため、サンニンの香りが漂うお正月となりました。ムーチービーサも続き、気候も旧暦どおりです。

お正月が終ってそろそろ日常モードに戻らなければいけない時期ですが、1月17日は旧暦の12月24日。この日は火の神が家族の一年間のすべての出来事を天の神に報告するために昇天する日とされているため、わが家ではその日に向けての準備をそろそろ始めるところです。

火の神の周りを掃除し、香炉の灰もきれいにします。当日は、火の神に供え物をして線香をたて、一年間で起こった良いことには感謝を申し上げ、災いごとや不幸な出来事に関しては、新しい年には不幸な出来事が起きませんようにというお願いをして、天の神へ良い報告をしてくれるように祈ります。正式な方法はわからないのですが、わが家なりの方法で行っています。
この日は日取りを気にせず香炉の取り替えや火の神の御仕立てをすることができる日ともされているので、火の神を新しくしたい場合はおすすめです。

旧12月24日が過ぎると、旧正月、旧1月4日には天に昇っていた火の神が降臨する日で、その後は後生の正月である旧十六日がやってきます。新暦のお正月ではなく旧正月や旧十六日を盛大に行う地域も多いので、そわそわした気分はそれらが終了するまで続いているように思えます。

普段は新暦中心の生活なので、毎日「今日は旧暦の何日」というのが身についているわけではありませんが、身近に旧暦のリズムがあることをいつも実感します。たまに忘れていると「しまった」ということもあるので、やはりとても身近です。

これから春へむけて「もう寒さも終わりかな?」と思う温かい日が続いても旧暦2月が過ぎるまでは要注意。寒さが過ぎると清明の季節がすぐそこに。今年もあっという間に過ぎていきそうです。


※毎月第2週目の「週刊タイムス住宅新聞」に掲載されています。(2012.01.16 ka)



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