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TOP住まいづくり情報一覧お住まい訪問記> Vol.042 平良さん宅 

   
 
2013.05.13 UP
設計:e.co room(エコルーム)
自宅とアトリエをつなぐテラス。家族で毎日アウトドア気分を楽しむスペース。夜間は岩肌をライトアップしてリゾート感を演出しています


平良さんご家族の住まいは、周辺の緑に馴染むよう高さを低く抑えた平屋建て。
15坪の自宅と10坪のアトリエを分けて建て、公私の距離をほどよく保ちつつ、2棟を開放的なテラスでつなぎました。

敷地の北側にある岩を背にして開いたテラスは、まさに「リゾート」を叶える要となりました。
テラスから見える岩肌は、まるで自然が織りなす絵画のよう。ともに建築士で、日々、忙しく過ごす夫婦に癒しを与え、子どもたちもアウトドア気分で楽しんでいるといいます。

「テラスで飲む朝のコーヒーが一番いい。一面ガラス窓のトイレもお気に入り。緑が生き生きとして、朝夕の景色がきれいです」と平良さん。

友人らとのパーティーでは、岩肌をライティングし、演出を盛り上げているそう。
家族や大切な人たちと楽しめる、パーソナルな景色を手に入れました。

室内はコンパクト。居住するスペースは、平良さん家族にとっての暮らしの効率を十分に考えた広さに。外の景色と自然光を取り込んでいます。写真左上に見える窓枠からのぞくスペースは屋上

屋上には浴槽を置いて、スペシャルな露天風呂に
日が沈むころには空の移り変わりを眺めながら
洗面台の向こう側にガラスをはめ込み、景色と自然光を取り込みました。スペースを広く感じる効果もあります


自宅とアトリエの間にある小路地ふうのアプローチを抜けると、テラスにつながり、その向こうにダイナミックな岩肌が見えてきます。クワズイモの大きな葉も印象的です。

自宅とアトリエは、岩と自然の草木がそのままインテリアとなるよう窓枠をデザインしました。
パソコンに向かいながら、料理をしながら、リビングでくつろぎながら、窓越しには自然の彩り、ゆれるハンモック、一服用のチェア、バーベキュー用の炉などが見えます。

トイレや浴室、洗面室なども、外の景色や自然光を入れて、日常に自然の癒しを取り込んでいます。
屋上には露天風呂もつくりました。

「外に出たくなくなるほど居心地がいい」と平良さん。
「年を重ね、子どもを育てていると、家の居心地が一番になります」と妻・智子さんも話します。

仕事や家事に追われながらも、平穏な気持ちを呼び戻す工夫が随所に設計されています。

可動式家具でリビングの使い方が変化 写真をクリックすると大きな画像を見られます


平良さん宅では、リビングをさまざまな生活シーンに合わせて使えるよう、可動式の家具をデザインしています。
背もたれのない四角いソファを4台、細長のテーブルを2台用意し、積み木で遊ぶように配置換えすることで、室内を6パターンの用途で使えるよう工夫しました。

2台の細長いテーブルは、長手を合わせて横に並べるとリビング用の座卓になり、縦に積んで高さを出すとダイニング用のカウンターテーブルに。プロジェクタースクリーンで映画を楽しむときはサイドテーブルとなり、低めにして壁付けで置くとローボードになります。

テーブルの配置に合わせて、四角いソファも自由に組み合わせて居心地をつくります。
長めに並べて足を伸ばして座ったり、部屋の中央にすべて集めてベッドにしたりと変幻自在に工夫。さらに、すべての家具を壁付けに寄せると、広めのストレッチルームになります。

正面の階段を上って右側が寝室スペース。階段前の左側入口を入ると秘密基地のような子供たちのスペースになっています

サンルームでは友人たちを招いてホームパーティをしばしば開催。キッチンから飲み物や食べ物を直接受け渡しができるのもいい

写真をクリックすると別画像が見られます


主婦が時間をつくるには、「いかに家事を楽にするか」を最優先することが大事。智子さんは、日々、楽しく暮らすため、家事にかける時短を考えました。

その結果、智子さんのアイデアで平面計画したのが、お掃除ロボット「ルンバ」仕様のオールフローリングにすること。
話題の「ルンバ」の導入をかねてから検討していた智子さん。お掃除ロボットの動きを研究して、すみずみまで掃除しやすいよう、極力、間仕切りや段差のない床にしました。
各室ドアの足元は床から10センチの隙間を作り、お掃除ロボットが行き来しやすい設計に。
定期的に室内を巡回しながら掃除してくれる人気家電は、住まいをきれいにしてくれる頼もしい存在に。今では「ルンバちゃん」と名付け、家族の一員のよう。
「ルンバ」以外にも設計当初から導入したい家電を検討し、置き場所や電源の設置場所を検討することは、暮らし始めてから大いに役に立つこと。平良さん宅では、床上10センチを「ルンバ」仕様とすることで、間仕切りや木の造作を無くしローコストにもつながりました。


照明好きで家電好きな智子さんは、家事で長く居ることが多いLDKの居心地を高めるため、お気に入りの照明器具付きシーリングファンや、キッチンアイテム、冷蔵庫などにもかなりこだわりました。

「シーリングファンは、日本製だとなかなかシャープなデザインがない」と、インターネットで調査し、日本製で13万円台のものと同等の商品をアメリカの通販サイトで4万円台で購入。
「円高(当時)でより安く買えましたよ」。
自称「検索オタク」というほど、細かく情報収集して費用対効果も綿密に検討しました。

さらに、カウンターとしても使える業務用の横型冷蔵庫も導入。狭いキッチンを広く見せ「使い心地がいい」のだそう。
サンルームで友人らを呼んでのパーティーのときは、横型冷蔵庫をカウンター代わりにしてフリードリンクバーを演出。キッチンへ出入りせずに、来客が自由に飲み物や食べ物を取ることができるようになりました。
「迎える側も、来る側も、気兼ねなく集いを楽しめます」。
物を増やさず、必要最低限のものだけを使うのがモットーという智子さん。キッチンには「cuisinart」(クイジナート)のコーヒーメーカーなど、おしゃれ家電をすっきりと置いて、家事を楽しんでいます。

ほかにも、洗濯室がそのまま物干し場となり、ハンガーバーからそのままクロゼットへ服をかけて収納するなど、楽チン家事の工夫が満載です。


自宅とアトリエの壁の一部には、EM珪藻土を使いました。室内の湿気を調整し、塗装の臭いも軽減するそうです。
自宅の中2階にある寝室は、壁も天井もEM珪藻土を使い、快適性を高めています。
リビングの一部だけ、モルタルに黒と緑の色粉を混ぜて黒壁を作り上げました。
黒壁にはプロジェクタースクリーンを設置し、映画を楽しんでいます。

「コストを安く抑えつつかっこよさを演出しました」と平良さん。
シンプルですが重厚感あるインテリアの工夫が光っています。
智子さんは「ガラスタイル好き」とのことで、玄関のたたきやシンク回り、浴室、洗面室などにも淡いナチュラルカラーのガラスタイルを敷き詰めました。ガラスタイルの柔らかな雰囲気がインテリアのアクセントになっています。壁の立ち上がりにもガラスタイルを使っているのがユニークで、住まいの足元をおしゃれに飾っています。

 


平良さんは、岩肌にクワズイモ、シダ、タマシダなどを植えたり、植物の芽が出ると喜んでみたりと、ガーデニングも楽しんでいます。
フーチバー(よもぎ)やネギなどを植えた家庭菜園も作りました。

「岩場もきれいにしてあげて、将来は滝をつくりたいですね」と平良さん。金魚や亀、猫を飼う計画もあり、にぎやかになりそうです。
子どもたちとの会話も増え、「今は前より家族の一体感を感じます。自然と、子どもと一緒に遊んだりできるようになりました。暮らしやすいって、こういうことかな」と智子さんは穏やかな表情を浮かべます。自然にあるものを上手に取り入れ、楽しむ家族の夢は広がっています。

 


   

平良さん宅・DATA

家族構成 夫婦、子ども2人、犬1匹

設 計

エコルーム (平良安高、平良智子)
敷地面積 

304.82 (92.36坪)

述べ床面積  88.56 (26.83坪)
構 造 壁式鉄筋コンクリート造
用途地域  第1種住居地域
施 工  建築/分離発注   電気/(有)大謝名電工   水道/(株)丸喜設備   アルミサッシ/(有)読谷アルミ  キッチン/エコルームオリジナル  木工事/カナエ技建
小路地ふうのアプローチをはさんで15坪の自宅(右側)と10坪のアトリエがあります

建築士・平良安高さん、平良智子さん 談

敷地の北側に雑草の生い茂った斜面があり、それを面白く生かせたらいいなと思い半屋外的なテラスをつくりました。

スペースは小さくても工夫次第で楽しい空間ができます。
店舗の厨房の場合でも、広いから動線の効率が良いとは限りません。同じように、住宅の場合でも、土地や居住空間が狭く、スペースが小さいということをデメリットと感じるのではなく、風通りが良かったり家事の効率が良かったり、家族との交流が増えたりなどのメリットもあるので、発想の転換をオススメします。
これまで、店舗設計やカフェ経営などを行いながら、効率の良い動線とはどんなものかを実体験し、多く手掛けてきました。
店舗の効率はスタッフの働きやすさだけでなくお客様へのサービス向上にもつながります。今回は、その発想を住宅にも取り入れて、楽しい空間になるようなアイデアをプラスしました。

子供部屋は子供が部屋に閉じこもらないように、あえて、子供にとって快適すぎないスペースにしました。家族でいる時間や会話の時間を増やすことに成功しています。
子供たちが独立した後は、さまざまに利用できるスペースになります。

室内を小さめにした分、半屋外的な広いテラスを作ることができ、友人たちも気兼ねなく遊びに来れる空間になりました。
テラスにはバーベキューもできる暖炉と網が洗える洗い場もつくりました。

左はアトリエ。滑り出しになった横長の窓から室内を望みます
アトリエ内部

文:本永 愛   写真撮影:桜井哲也 (Sakuracolor)

 

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