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TOP住まいづくり情報一覧お住まい訪問記> Vol.041 小林さん宅 

   
 
2012.12.07 UP
設計:アトリエ・ネロ

住宅外観
住宅内部。コンクリートの柱とアルミサッシが大屋根を支えて居住空間をつくっています。上部から風が流れ、ガラス窓からは光がたくさん取り込めます
拡張工事が進んでいた道路が完成し、まちの様子も少しずつ変化しようとしている北中城村の住宅地。
国道につながる新しい道路から一歩入ると、大きな木々があったり、細い路地が続いていたり、復帰前からの名残を感じる静かな場所です。

2011年に完成した小林さん宅は、静かな住宅地の一角。

敷地内に大きく育った木の根元、地面がめくれ上がって小さな丘のようになったコンクリートを、柱とアルミサッシが支えて居住空間を生み出した、そんな印象の住宅です。

設計者から最初に提案されたこの住宅の形を見て、「面白い!」と夫婦で思ったのが第一印象。

そこから、ほとんど形は変わらずにこの建物が完成しました。

ご夫婦と元気な4人の子どもたちが住む、にぎやかな住まいになりました。

住宅外観正面。道路と接する部分は駐車スペースとしています。外部との緩衝帯にもなっているため、外からの視線もあまり気になりません
玄関ポーチ。オリジナルで制作された鉄製の庇が直射日光を和らげます。ヒンプンと石灰岩のアプローチが趣のあるスペースです。居住スペースは地面よりも少し高くなっています

 

小林さん夫婦が家づくりを思い立ったのは2番目のお子さんが誕生したころのこと。

のびのびと子育てができるように、マイホームの実現に向けて、土地探しが始まりました。

「以前は近所のアパートに住んでいました。この辺りは子ども会活動が活発で、子育てへの地域の目が温かいところなので、助けられていました。沖縄市の実家からも近いので、家を建てるならこの地域でと思っていました」と奥さま。

静かで住みやすいことに加え、地域が子どもたちを温かく育んでくれることがこの地域に決めた大きな理由になりました。

しかし、土地探しを始めて3年がたっても、なかなか思うように見つけることができずにいました。
ある日、不動産会社から紹介されたこの土地に出会って、即決断。
敷地内に大きな木があったことも決め手になりました。

土地を探しながら、毎週末、いろいろな設計事務所が各地で開催している住宅完成見学会にも出かけていました。

「住宅完成見学会に、50件は出かけました」と小林さん。

そんなとき、たまたま見学した建物の近くに建っていた住宅に惹かれたのだそうです。

「そのときに見た住宅の、土と緑とコンクリート、木のバランスが良かったんですよね」。

「自然を身近に感じられる家をつくってくれそう」と思ったのだそうです。大きな木のある敷地を、うまく生かした建物をつくってくれそうな気がしたようです。

フリースペースは子どもたちの場所。高さを生かして設置したロフトはいい遊び場になっています
緑と、空が近くにある和室
住宅奥側には、キッチンや浴室などがあります。子どもたちもすすんでお手伝いするスペースです。庭の緑もすぐそばにあります

小林さん夫婦が住まいに望んだのは、光と風が通るオープンな空間。
家族がそれぞれの場所で別々のことをしていても、気配が感じられること。子どもたちがすすんでお手伝いができるような場になること。そして、家族の成長と一緒に、建物が成熟していく過程を楽しむことができる家であることでした。


小林さん宅は、玄関ドアを開くと、高さのある玄関先から、奥へ行くにしたがい緩やかに低くなっていく一つの空間になっています。
緩やかに傾斜するコンクリートの大屋根を6本のコンクリート柱が内部で支え、縁の部分にめぐらせたアルミサッシがともに支えています。
窓からは風が抜け、光がたっぷり入り込む広々とした空間です。

柱と柱の間に、手前から和室とフリールーム、洗面室や浴室、キッチンなどの水周り、ウォークインクローゼット、主寝室が配置され、真ん中はリビング、ダイニング、キッチンなどの用途をみたした自由なスペースに。高さのあるエリアでは3カ所のロフトが設けられました。

フリールームは、子どもたちの机やおもちゃがある子どもたちのためのスペース。9歳から2歳までの4人の子どもたちにとって、このスペースと3カ所のロフトは格好の遊び場になりました。お友だちを連れてきては、みんなでロフトを上ったり降りたりと、家の中でものびのび遊んでいます。

「今は子どもたちも小さいので、眠るときは和室で家族そろって眠ります。寝ながら星が見えるし、朝になって明るくなると子どもたちが自然に目を覚まします。カーテンをつけるのがもったいなくて、まだ付けていません」と小林さん。

ガラス張りでカーテン無しといえば、道行く人たちからの視線が気になるところですが、道路と接する部分は駐車スペースになっていて外部との緩衝帯に、さらに居住スペースが道路よりも少し高めになっているため、あまり気になりません。
また、建物の両側には型板ガラスを用いて視線が入り込まないように、上部は透明なガラスを用いて、景色を取り込むようにするなどの工夫も見られます。
ほかにも、敷地の三方向を木々で囲まれているので、外からの視線と直射日光も和らげてくれる効果もあります。

暮らし始めてから1年。屋上緑化のための屋根の芝生も青々と育ち、木々も落ち着いたようです。
無垢材の床にはツヤも出てきました。友人たちと力を合わせて塗った壁の漆喰や柿渋も小林家の味わいになっています。奥さまがコツコツ集めたアンティークの照明器具や壁掛け時計なども空間の趣になっています。

「DIYは苦手でしたが、家づくりでは自分でできるところは自分でという気持ちで積極的に取り組みました。自分たちで手がけたところを見ると、当時のことを思い出しますね。愛着たっぷりです」

家づくりでの挑戦が楽しい経験だったと話す小林さん。
デッキと木塀の塗装や駐車スペースと庭の芝生張りも行うなど、すっかりDIYが板に付いたようです。

「子どもたちが大きくなると個室が必要になったときは、仕切りを作ってスペースをつくってあげようと思います」

今後も家族の成長とともに少しずつ変化しそうな小林さん家族の住まい。大きな木が見守る場所で、家族のあたたかい時間が育まれていくようです。


   

小林さん宅・DATA

家族構成 夫婦、子ども4人

設 計

アトリエ・ネロ (根路銘安史、吉岡雄一郎)
敷地面積  288.41 (87.24坪)
1階床面積  122.28 (36.99坪)
構 造 鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)
用途地域  第1種低層住居専用地域
施 工  建築/(株)喜納工務店(前野浩野)  電気/松島電気工事(松島良成)   水道/石橋工業(株) (伊佐善幸)  アルミサッシ/大里総合建材(株) (玉那覇学)  キッチン・ポーチ庇/LITTAI(仲地研二)  木工事/喜納内装(喜納政実)  建具/呉屋木工(呉屋達雄)  タイル工事/(株)新三施工(新川順一  畳/ひろし畳店(仲井真正峰)  外構工事/幸重機(与那嶺幸則)  植栽工事/(有)繁樹園(當間嗣泰)  玄関扉/まっくる屋工房(伊礼聡、新垣範雄) 
構造設計  パス建築研究室(新川清則)
住宅裏側はまるで洞穴のようです。石積みを上って屋上へ

建築士・根路銘安史さん、吉岡雄一郎さん 談

小林さん宅が建つ場所は緩やかな盆地になっているので、できるだけ高い位置から風を取り込めるようにしようと考えました。
地面がペロンとめくれ上がって、屋上の芝生が敷地の北側にある大きな木につながっていくようなイメージです。

また、大きな口を開け、いっぱいの空気を吸い込み、お尻から吐き出す、そんなイメージでしょうか。

建物の躯体はコンクリートの柱と屋根、外回りはアルミサッシのみで覆っています。

家の中からも屋上に上がってみても、離れた場所の景色や様子がわかって、まちの気配のようなものをつねに感じられる。
そういう外や人とのつながりが、集落やまち、地球に抱かれて生きることを感じさせてくれる気がします。

内部仕上げの漆喰塗りや柿渋塗りは小林さん家族やその友人たちと一緒に行いました。
たとえそれが職人が手がけた立派な仕上がりではないにしても、家ができあがるまでの過程をあえて残すことで、家への親近感や愛着は一層わきますし、手をかけることで、より住まいに家族らしさが出てきます。そうやって、小林さんの家も家族と一緒に成長していくだろうと思います。

芝を貼った屋上。夏場の暑さをしのぐ効果が期待されています。敷地北側に育つ大きな木が、住まいを見守ります

写真撮影:フォトアートたかの (高野 生優)

 

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