8月の15日から 20日まで、「沖縄の原風景との対話 建築家金城信吉の世界」展を開催いたします。
南風原中央公民館は、すでに新しい公民館が完成し、今年末に解体される予定です。
33年間使用した建物に感謝の意味を込めて、この建物で行う最後のイベントとして、
設計に関わった南風原町の建築家金城信吉の展示会を開催することになりました。
金城信吉は、沖縄県建築士会・島尻支部を創設し初代支部長を務めた人物でもあります。
現在の私たちの活動の礎を築いてくれました。
金城信吉が私たちに伝えたかったことは何だったのか、
彼が大事に思っていた沖縄の原風景とは、どんなものだったのか。
展示会では、建築の写真や図面ではなく、
金城信吉が生前、数回にわたって開催した 建築写真展「沖縄の民家」や
逝去後に仲間たちによって行われた遺作展で展示されたパネル、
彼の残した多くのメッセージの中から抜粋してご紹介する予定です。
最終日では、金城信吉が毎日のように通った、沖縄の音楽家・海勢頭豊さんの店『パピリオン』が
一日限りの復活をいたします。
『パピリオン』は、沖縄県内外の文化人たちが集い交流する店でした。
ジャーナリストだった筑紫哲也さん、詩人・川満信一さんをはじめとした、
建築に限らず工芸、芸能、芸術の世界で、素材に命を吹き込むことを生業としていた人たちと
ともに語り合い、ともに共鳴し合う場所でした。
金城信吉は『パピリオン』に訪れることを「夜の神々に会いに行く」と表現していました。
多くのファンを持つ『パピリオン』は2005年に閉じてしまいましたが、
今回の展示会の最終日に、特別に1日だけ復活をいたします。
多くの皆さんのご参加を得て、ぜひ当時の雰囲気を再現できたらと願っております。
建物の寿命を永くすること、街の新陳代謝をもっとゆっくりとすることが、まちづくりに必要なことであり、
風景や景観、地域の文化維持に繋がると考えます。
金城信吉は約40年前にそう感じ、沖縄の離島をめぐりながら民家の写真を撮り続け、
写真展を行っていました。
今回、役目を終える南風原中央公民館の最終イベントとして、
設計に関わった金城信吉が伝えたかったことを皆さんと一緒に感じたいと思い、
このイベントを企画いたしました。
ぜひ、多くの皆さんのご来場をお待ちしております。
沖縄県建築士会 島尻支部 「沖縄の原風景との対話 建築家金城信吉の世界」実行委員会 |